国際規定改訂版
公益財団法人 合気会・世界合気道本部 国際規程
施行 昭和55(1980)年 5月10日
改正 昭和63(1988)年 12月1日
改正 平成12(2000)年 10月1日
第一章 総則
(目的)
- 第一条
- 財団法人合気会・世界合気道本部(以下本部と称する)は、世界各国へ合気道を普及し、その体制を円滑にするために国際規程を設ける。
第二章 本部による各国内における合気道組織の認定
(本部公認)
- 第二条
- 一、 本部は、次に掲げる各号の条件を満たしていると認められる合気道組織を本部公認として認定する。なお、国内法規上の理由または本部が妥当と判断する理由により一国に二つ以上の合気道組織が存在する場合には、当該国の複数の合気道組織を本部公認として認定することができる。
(1) 当該合気道組織は、単なる一個人の道場ではなく、その国の法律に基き合法的に設立された団体であって設立後5年以上順調に活動を続けていること。
(2) 当該合気道組織は、その傘下に複数の道場を持ち年間を通じて公式活動を行なっている組織であること。
(3) 当該合気道組織の長またはその指導責任者(以下、「責任者」という)が4段以上であること。責任者は当該国の居住者であること。
(4) 当該合気道組織は、その責任者を補佐し「指導・昇段審査委員会」を設立するために必要な2段以上の有段者数名を有すること。
(5) 当該合気道組織は、本拠地ならびに定められた会則および役員を有すること。
(6) 当該合気道組織への本部公認の発出が混乱や問題を起こさないこと。
- 二、 本部公認と認定された合気道組織は国際的な活動において一国を代表する合気道組織とする。なお、一国に本部公認と認定された合気道組織が複数存在する場合、それらの合気道組織は、その国内、国際的な諸活動において必要に応じ合気道精神に則り和を尊び友好的かつ迅速に相互に連絡・調整を行って協力しなければならない。
- 三、本部公認と認定された合気道組織は、次に掲げる行為を行なうことができる。
(1) 級位の発行(第十四条)
(2) 段位の審査(第九条第一項)
(3) 段位の申請登録(第八条)
(4) 段位の受審申請(第九条第一項)
(5) 段位の推薦申請(第九条第二項但し書)
(6) 指導者資格授与(第十七条)
(7) 本部による助成
(8) 合気道に関する本部との交流。
- 四、 本部は、第一項の規定による本部公認の条件が不備なため本部公認と認定されなかった合気道組織について、本部が必要があると認めた場合は、本部公認の条件が成立するように指導および組織の育成に助力する。なお、段位については、第六条第一項の規定を準用する。この場合において「本部公認」とあるのは「第二条第四項の規定に該当する」と読み替えるものとする。また、段、級の審査は、本部または本部が委任する者によって行なわれる。
(認定書交付)
- 第三条
- 本部公認として認定された合気道組織には、所定の手続を経て本部の認定書を交付する。
(遵守事項)
- 第四条
- 一、 本部公認と認定された合気道組織は、次の各号に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1)開祖・植芝盛平によって確立された合気道精神およびその普及のための基本方針を理解し、これに従う。
(2)段位は、合気道道主によって允可され本部に登録されたものを正統なものとし、各国の国内法規上の理由などによってその国の段位が発行されている等の事情如何に関らず、必ず本部の 段位を取得する。
(3)指導および級・段位の審査のための体制・機構を充実させ、「指導委員会」、「級・段位審査委員会」等を設立する。
(4)常に本部と緊密な連絡を保ち、本部との交流を促進するよう努力する。また、本部から派遣され常駐する指導者とも緊密な連絡を保ち協力する。さらに本部が短期間派遣する指導者の受け入れについて本部と連絡を取り協力する。
(5)同じ国、地域に存在する他の合気道組織と必要に応じ連絡をとり友好的な関係を促進する。また、可能な限り個別の組織がまとまった統一的な組織あるいは傘になるような組織の設立に努める。
(6)前各号の他、本国際規程に定める各条の規定を遵守する。
(本部認定取消し)
- 第五条
- 本部公認合気道組織が、前条の規定に相違し、本部による合気道の普及に重大な支障をきたす場合には、本部は当該合気道組織に対し前条の規定を遵守すべき旨の勧告(文書および口頭)を行なう。当該合気道組織にその意思がないときは認定を取り消すことがある。本部公認が取り消された合気道組織の指導者資格(第四章)は消滅する。
第三章 段位および級位
(段位)
- 第六条
- 一、 段位は、本部公認合気道組織に属する合気道修行者に対し、その合気道の総合的力量および 実績、若しくは功績に応じ与えられる。
-
二、 段位は、初段から八段までとする。
(印可)
- 第七条
- 段位は、合気道道主より印可される。
(申請登録)
- 第八条
- 一、 段位は、全て本部に申請しなければならない。
-
二、 段位は、本部に登録された時点より有効となる。
(審査および推薦できる資格)
- 第九条
- 一、 本部公認合気道組織は、その責任者が六段以上の場合は初段から四段までの審査をすることができる。また、責任者が四段および五段のときは初段から三段までの審査を行なうことができ、 四段については受審申請をもってするが、本部または本部の委任する者によって審査が行なわれる。
- 二、 五段、六段は本部により審議決定される。ただし、六段以上の責任者のいる本部公認合気道組織においては五段の推薦申請をすることができる。また、七段以上の責任者がいる場合、六段の 推薦申請をも行なうことができる。
- 三、 七段以上の審議は別に定める。
(審査方法)
- 第十条
- 段位審査の方法は本部の審査規程を基準とする。だだし、事情があれば多少の変更はできるものとする。
(本部入会)
- 第十一条
- 合気道修行者の全ては、初段印可の時またはそれ以前に本部の会員とならなければならない。
(段位証書)
- 第十二条
- 一、 段位証書は、所定の手続をもって申請登録が行なわれたときに発行される。
- 二、 段位証書は、日本文によって作成される。
(国際有段者証)
- 第十三条
- 一、 有段者は、本部が発行する国際有段者証を所持しなければならない。
- 二、 国際有段者証は段位証書と共に発行される。
(級位)
- 第十四条
- 級位は、本部公認合気道組織において審査を行ない、当該組織が級位証書を発行できるものとする。
第四章 指導者資格
(指導者資格)
- 第十五条
- 一、 本部公認合気道組織においては指導者資格を次のとおりとする。
1.師範
2.指導員
3.副指導員
- 二、 指導者資格の名称は日本語とする。
(師範)
- 第十六条
- 一、 師範は、稽古、指導共に熟達した六段以上の者の中より本部が審議し認定する。
- 二、 師範として認定された者には、本部より認定証が授与される。
(指導員、副指導員)
- 第十七条
- 一、 本部公認合気道組織は、次のとおり指導員、副指導員の資格制度を設けるものとする。
(1) 指導員は四段以上の者
(2) 副指導員は二段以上の者 ただし、事情があれば多少の変更はできるものとする。
- 二、 本部公認合気道組織は、指導員、副指導員として認定した者に認定証を発行することができる。
- 三、 本部公認合気道組織は、指導員、副指導員として認定した者の氏名、段位を本部に通知しなければならない。
第五章 補則
(指導および昇段委員会などに関して)
- 第十八条
- 第四条第一項第三号に基き、本部公認合気道組織において指導委員会、昇段委員会などが設置されたときは、本部にその内容を通知しなければならない。
(段位の審査に関して)
- 第十九条
- 第九条第一項において、本部公認合気道組織は、何らかの事情によって段位の審査に支障が生じたときは本部の指示を受けるものとする。
- 付則
- 1.本規程制定以前に、本部公認合気道組織並に認められていた合気道組織の取扱いについては、従前どおりとする。
2. 平成12(2000)年10月1日に改正された本規程は同日から施行する。